商品マスターからCSV、XML、APIの3方式へ分岐するデータフィード作成フロー

データフィードの作り方|CSV・XML・API連携と更新方式を実務目線で整理

ツール活用・運用ガイド佐藤 梓(ADVeed運営担当)

データフィードの作り方を、元データ確認、項目設計、CSV・XML・API選定、変換、検証、更新、監視の順に整理します。広告運用担当と開発担当が同じ手順で確認できる実務向けガイドです。

この記事の要点

  • データフィードの作り方は「項目を並べる」前に、正となる商品データと更新要件を決めます。
  • CSVは簡単、XMLは階層表現、APIは高頻度・差分更新に向きます。
  • 共通マスターから媒体ごとの差分を変換する構成にすると、多媒体運用で更新漏れを減らせます。
  • 作成後は形式チェック、必須属性、URL、価格、在庫、IDを検証し、媒体の診断まで確認します。
  • 自動化するなら、生成処理より先に失敗検知と再送手順まで決めます。

データフィードの作り方は何から始めるか

データフィードを作る最初の作業は、CSVの列を作ることではありません。商品情報の正データがどこにあるかを決めます。

価格はECカート、在庫は基幹システム、商品説明はPIM、画像URLはCMSのように情報が分散している場合、どのシステムを正としてフィードへ集めるかを定義します。

次に、媒体が要求する項目へマッピングします。社内のsku_codeを媒体のidへ、sales_priceをpriceへ、在庫数をavailabilityの許可値へ変換する、といった対応です。

データフィード作成の全体手順

元データを棚卸しする

最初に次を一覧化します。

データ 正となるシステム 更新者 更新頻度 フィード利用
商品ID 商品マスター 商品登録担当 商品登録時 必須
商品名 商品マスター 商品担当 随時 必須
価格 EC/基幹 販売担当 高頻度 必須
在庫 在庫DB 自動 高頻度 必須
画像URL CMS/CDN 制作担当 随時 必須
GTIN 商品マスター 商品登録担当 登録時 媒体により推奨/必要

正データが決まっていないと、ECサイトは新価格、フィードは旧価格という状態が起きます。

媒体仕様を列単位で整理する

媒体のテンプレートを見て、そのままCSVを作る前にマッピング表を作ります。

例:

社内項目 Google向け TikTok向け 変換ルール
sku_code id item_id そのまま
product_name title title 文字数を調整
stock_qty availability availability 1以上→in_stock
tax_in_price price price 通貨を付与
main_image image_link image_link HTTPS URL

この表があると、媒体仕様変更の影響を特定しやすくなります。

CSVで作る場合

CSVは1行1商品、列に属性を持たせる形式が一般的です。小〜中規模のフィードを始めるには扱いやすい方式です。

注意するのは、カンマを含む商品説明、改行、ダブルクォート、文字コード、先頭ゼロ、日付、価格形式です。表計算ソフトで開いて保存しただけで、JANコードの先頭ゼロが落ちることもあります。

CSV生成は可能ならスクリプトやETL処理で自動化し、手作業編集は例外対応に限定します。

XMLで作る場合

XMLは階層構造を表現しやすく、媒体がXML形式を提供している場合に使います。タグで項目名が明示されるため、列順への依存は小さくなります。

一方、タグ閉じ忘れ、エスケープ、名前空間など、CSVとは別の検証が必要です。商品説明に&や<が入る場合も正しく処理します。

既存のCMSやECプラットフォームがXMLフィードを出力できるなら、その機能を使う方が開発負荷を抑えられる場合があります。

APIで作る場合

API連携は、商品データをプログラムから媒体へ送る方式です。高頻度更新、差分更新、商品数が多いケースに向きます。

実装時は認証、レート制限、タイムアウト、リトライ、重複送信、部分失敗、削除、ログを設計します。成功レスポンスを受け取っただけでは、媒体審査まで成功したとは限りません。送信結果と媒体側の診断を分けて監視します。

CSV・XML・APIの方式選定

方式選定表

条件 CSV/TSV XML API
手軽さ 高い 中 低い
高頻度更新 △ △ ◎
差分更新 △ △ ◎
手作業確認 ◎ △ △
開発負荷 低 中 高
大量商品 ○ ○ ◎

最初からAPIを選ぶ必要はありません。日次更新で十分な商品群なら、安定したCSV生成と監視の方が総工数を抑えられることがあります。

変換ルールを別管理する

商品マスターを媒体仕様に合わせて直接変更すると、複数媒体で使い回しにくくなります。元データと変換ルールを分けます。

代表的な変換は次です。

  • 在庫数から媒体の在庫ステータスへ変換
  • 税込/税別価格の整形
  • ブランド表記の統一
  • カテゴリコードのマッピング
  • タイトルの文字数調整
  • URLへのパラメータ付与
  • 空欄時の処理
  • 禁止文字の除去

例外ルールが増えたら、適用順序を決めます。「全商品共通→カテゴリ別→ブランド別→個別SKU」のように優先順位を固定します。

商品IDを決める

IDは後から変えない前提で設計します。サイト側タグ、広告カタログ、分析基盤で同じ商品を識別できるようにします。

親商品IDとSKUのどちらを使うかは、在庫と価格の管理単位で判断します。色やサイズごとに在庫が違うなら、SKU単位IDの方が扱いやすいケースが多くなります。

IDに商品名や価格を含めると、名前変更や価格変更でIDまで変わる設計になりやすいため避けます。

事前検証を作る

媒体へ送る前に、最低限のチェックを自動化します。

  1. ID空欄と重複
  2. 必須項目空欄
  3. URL形式
  4. 画像URL形式
  5. 価格の数値形式
  6. 在庫値の許可値
  7. 文字数
  8. GTIN桁数や形式
  9. 不正文字
  10. 商品件数の急減

「前回10,000件だったフィードが今回200件」なら、200件すべてが仕様上正しくても送信前に止めるべきです。件数変化の監視は、項目検証とは別に用意します。

テスト商品で媒体へ送る

初回は全商品を送る前に、カテゴリやバリエーションが異なる代表商品を選びます。通常商品、セール商品、在庫切れ、バリエーション商品、GTINなし商品などを含めると検証範囲が広がります。

媒体側で承認されるか、タイトルと画像が意図どおり表示されるか、価格と在庫が合うかを確認します。

更新方式を決める

全件更新は実装が単純ですが、商品数が多いと負荷が増えます。差分更新は効率的ですが、削除や更新漏れの管理が難しくなります。

高頻度で変わる価格と在庫だけ差分更新し、商品説明やカテゴリは日次全件更新するなど、属性によって経路を分ける方法もあります。

更新頻度は媒体の上限だけでなく、自社の許容遅延から決めます。

失敗時の再送と監視

自動化では、成功ルートより失敗ルートを先に決めます。

  • ファイル生成に失敗した
  • 0件になった
  • 送信先に接続できない
  • APIの一部だけ失敗した
  • 媒体側で大量不承認になった
  • 価格不一致が急増した

それぞれで「自動再試行する」「送信を止める」「担当者へ通知する」の条件を決めます。

更新監視と再送フロー

媒体追加時は共通マスターから分岐する

Google、Meta、Criteo、LINEヤフー、TikTokへ配信する場合、媒体ごとに別の商品マスターを手作業で持つと二重管理になります。

共通商品マスターを持ち、媒体ごとの変換ルールで出力を分けます。Criteoのように既存Google/Facebook系フィードを再利用できる媒体でも、取込後の項目確認は行います。

最小構成サンプル

小規模ECで最初に作るなら、次の構成でも始められます。

  • 商品マスター: 商品ID、商品名、価格、在庫、URL、画像URL、ブランド
  • 生成: 1日1回CSV
  • 検証: ID重複、必須項目、URL、価格、在庫、件数
  • 配信: 1媒体
  • 監視: 最終成功時刻、送信件数、媒体不承認数
  • 通知: 更新24時間停止、件数50%以上減少、大量不承認

ここから商品数、媒体数、更新頻度に合わせてAPIや差分更新へ拡張します。

実務チェックリスト

  • 正データ元を項目ごとに決めた
  • 媒体仕様と社内項目のマッピング表がある
  • IDの生成規則が固定されている
  • CSV/XML/APIの選定理由を説明できる
  • 変換ルールを元データと分離した
  • 必須項目の事前検証がある
  • 商品件数の急減を検知できる
  • 送信ログを保存している
  • 媒体診断を確認している
  • 更新失敗時の再送条件がある
  • 担当者通知の経路がある
  • 媒体仕様変更時に影響箇所を追える

公式情報と更新時点

最終確認日: 2026年8月29日。

媒体ごとの受け付け形式、必須属性、API仕様は変更されます。Google Merchant Centerなど対象媒体の公式ヘルプで実装時点の仕様確認を推奨します。

フィード仕様書を作る

実装後に担当者が変わっても維持できるよう、フィード仕様書を残します。

仕様書には、項目名、型、必須/任意、正データ元、変換ルール、空欄時処理、最大文字数、例、更新頻度を記載します。

変換コードだけを仕様書代わりにすると、広告運用担当が確認できません。表形式で人が読める仕様を用意します。

差分更新で削除漏れを防ぐ

差分更新では、追加・変更だけでなく削除を扱う必要があります。販売終了商品を商品マスターから消しただけでは、媒体側に残る場合があります。

削除対象を明示的に送るのか、定期的な全件同期で整合させるのかを決めます。週1回全件、日中は差分、といった組み合わせもあります。

テスト環境がない媒体への対応

媒体によっては本番アカウントでしかフィード取込を試せない場合があります。その場合は、少数の商品セットやテスト用ラベルで影響範囲を絞ります。

送信前にローカル検証を強くし、商品件数、必須項目、URL、価格、在庫をチェックします。

ロールバックを用意する

変換ルール変更で全商品タイトルが壊れた場合、すぐ前バージョンへ戻せるようにします。

フィード生成コード、変換ルール、カテゴリマッピングをバージョン管理し、直前の正常フィードも一定期間保存します。

本番運用の監視SLAを決める

更新失敗の許容時間を決めます。

例えば、価格・在庫更新は2時間以内に復旧、商品説明更新は翌営業日でも可、といった形です。属性ごとに鮮度要件が違うため、すべて同じSLAにする必要はありません。

データ型を明示する

フィード仕様書では文字列、数値、真偽値、日時、URLなどの型を明示します。価格を文字列として自由入力できると、1,980円、1980、1,980 JPYのように表記が揺れます。

変換前の型と媒体へ送る型を分けて定義します。

日時とタイムゾーン

セール開始・終了、在庫反映、バッチ時刻を扱う場合、タイムゾーンを固定します。日本向けならJST基準か、システム内部UTCかを仕様書へ書きます。

セール終了が1時間ずれるだけで価格不一致が発生することがあります。

監視ログの保存期間

更新失敗が翌月に発覚した場合でも原因を追えるよう、送信ログと生成ファイルを一定期間保存します。

少なくとも最終成功時刻、商品件数、エラー件数、処理時間、ファイルハッシュなどを残すと差分調査に使えます。

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よくある質問

QデータフィードはExcelで作れますか?

小規模なCSVなら作れます。ただし文字コード、区切り、先頭ゼロ、改行、URL、数値形式の崩れに注意が必要です。更新頻度や商品数が増えたら自動生成を検討します。

QCSVとAPIのどちらを選ぶべきですか?

日次程度の全件更新で足りるならCSVは扱いやすい方式です。価格や在庫を高頻度に差分更新したい場合はAPIが候補になります。

Qデータフィードは媒体ごとに別ファイルを作るべきですか?

共通商品マスターから媒体差分を変換する構成が管理しやすいケースが多いです。媒体ごとに完全別管理すると更新漏れが起きやすくなります。

Qフィードの更新失敗はどう検知しますか?

最終成功時刻、送信件数、エラー件数、媒体側の承認状況を監視します。更新遅延や商品件数の急減を通知条件にします。

この記事を書いた人

佐藤 梓(ADVeed運営担当)

広告運用歴8年。Google・Meta のフィードを担当。データフィードを自分でも活用しつつ日々マーケティングのお仕事をしています。

まず最小構成で1媒体へ通し、更新とエラー検知まで動かします。商品数や媒体数が増えたら、変換ルールと監視を標準化していく方が保守しやすくなります。

この作業、ADVeedならぜんぶ自動です

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